2004.6.26.潮来

湯気が立ち込めていた。
水温が高く、湖面から立ち昇る熱気、それに包まれるとまるで風呂場にいるような錯覚にとらわれる。これほど水温が高ければ、早めのリトリーブにもバスがついてこられるに違いない。

夜明け前、水郷大橋のたもとに到着。
助手席には老人が横たわっている。仁である。
出発した時にはハンドルを握っていたのだが、その運転は、フラリフラリと蛇行したり、アクセルをまるでセナ足のように開閉させて意味もなくスピードを変化させたりで怪しい。どうなっているのかと見てみると、何と口を開け、天井を見上げるようにして、眠りながら車を走らせているではないか。
釣り場に着いた時には死んでいた男。仁にハンドルを握らせると本当に死んでしまうよ。
あまりに危険なので、途中、コンビニに寄ったところで運転を交代した。そんなわけで、水郷大橋に着いた時には、助手席に死体がいたわけである。

ぱおんがビッグバドを結んで車から出ても、仁はなかなか動き出さない。先に川岸へと向かった。
橋の明かりで水面を見てみると、どうも少し濁りが入っているようだ。なんとなく期待薄な気がしてくる。
それでも一応探ってみようかとキャストを始める。仁もやっと起き出して釣り始めた。
テトラ帯の端までざっと流したが何も起こらず、移動を提案しようと仁のところまで歩いていく。次の狙いは北利根だ。先週見た限りでは水質が良くなってきているので、数が釣れると睨んだのである。
ゾンビのように蘇ってゲット!
ところが闇の中で仁がごそごそと怪しい動きをしている。やがてフラッシュが光り、水辺に行って何かを放している。何か。それはバスに決まっているだろう。

すぐの移動はなくなった。
仁は単純だ。釣れた場所から移動するはずがない。ヤツが飽きるまではしばらくここで釣るしかないだろう。
ルアーをハーフスピンに替えて、テトラや杭周りをタイトに攻めてみることにする。どうせ仁が諦めるまでの間だ。
まだ暗いのでカラータイプのブレードをチョイス。この方がバスからよく見えるだろう。
テトラの際に撃ち込んで巻き始めると、何だか重くなっている。何だ? フィッシュだ! ブラックバスだ!
レギュラーサイズ。悪くない。むしろ良い。
カラーブレードの付いたハーフスピンで。ちょっと小さいけど、最初の1匹、これで落ち着いて釣りができる。
この言い回し。どこかで聞いたことがある。そう黒鱒道中で松さん金さんがよく言っていたじゅないか。懐かしい。いや、今またバサー誌で、あの連載は復活しているのだ。
彼等の連載が終了した後、それならこれからは俺達が時代を作ると、このレポートを始めたのが5年前。我ながらよく続いていると思っているが、彼等のような面白いレポートをお届けするにはまだまだ精進が必要だ。
続きへ  2004年の釣り一覧へ  トップへ
inserted by FC2 system