2006.7.29.潮来

「お主も悪よのぅ。ふぉふぉふぉ…」
水戸黄門などを観ているとよく出てくる悪代官と悪徳商人。あんなベタな悪者は芝居の中だけであって、現実にはいないと思っている人もいるかもしれない。
だがそんな男は実在するのである。

七月二十九日。
まだ明けきらぬ梅雨、しかしもう七月が過ぎ去ろうとしている夏の朝。暗いうちからトップでバスを誘い出そうと夜越川に向かった。
しかし夜越川は大混雑、続いて移動した水郷大橋周辺も反応は芳しくなく、また先行者の姿も見えて、期待が持てそうにない。
与田浦に移動してみたが、ここも人が多い。ちょっと試して見切りをつけ、水の引いた霞本湖、エセハチを狙ってみることにしよう。
逮捕状を使うのは俺だけでいい。他のヤツは釣れなくていいんだ!
与田浦から潮来大橋を渡って本湖へと向かっていると、黒い霧のようなものをまとった男が歩いていた。見るからに禍々しいオーラだ。
腹黒い男、ヒサシだった。
ぱおんは車を止め、トランクからルアーを取り出してヒサシに渡した。いま僕のネットショップを確認してもらうと分かるのだが、レイクポリスのTN/50、いわゆる逮捕状のキンクロとマットタイガーが品切れになっている。その理由がこれだ。店の在庫の全てがここにある。腹黒い男が買占めたのだ。
しかしルアーを大量に買ったからといって、なぜ腹黒いと言われるのだろうか? それは必要だから買っているのではないからだ。買い占めることによって、他の人に逮捕状を使わせないという作戦である。
逮捕状は破壊力があるがスレやすい。自分ひとりが使えば、存分にその破壊力を味わうことができ、また他の人に釣果で大きな差をつけることができる。ヒサシはそう考えたのだ。この行為を腹黒い行いという。
朝イチ、夜越川で釣った一匹。この時は一人だったので、自慢する相手も無く、まだ腹黒い笑いは浮かべていない。
だがヒサシはこのくらいの腹黒戦略では満足しない。エセハチに同行するというのだ。これは注意が必要だ。
続きへ  2006年の釣り一覧へ  トップへ
inserted by FC2 system